金属の形

詩を書いてます

電話ください

何かあったら電話してください。呼べば出ます。果てしない彼方で、もろもろありますが、要は人間の本望をどう消滅させるかという問題であって、何もあなたが悪いわけではないんです。見ない人は見ないんだし、分かる人には分かるし、後悔を回りくどいやり方で敷衍することはないんです。明日が来れば、冷蔵庫の中に隠れるし、あさってが来ればレンジの中にこもります。電話ください。何かあったら。

楽市楽座

汽車に乗り遅れたらみんなを待たなければいけないだろ。さまよい果てて何も救いはないんだよ。鏡の向こうを見てごらん。何か見えないかい?境界はないんだよ、僕にも、君にも、みんなにも。ただあるのは空気だけ。そう、さわやかな空気。掻き乱すような空気。泥臭い空気。重たい空気。無とはそういうものさ。よく噛んで食べてね。

明日

らくだの光線に乗って、最果ての国へ三つの企てとともに、吸収されつつある・・・。
今日よりも明日、明日よりも今日、本の世界に吸収されつつある・・・。
ランタンの影に映った光の束。何もかもが無為に感じられ、明日は来ない。
吸収されつつある・・・。吸収されつつある・・・。ああ、吸収されつつある・・・。

僕の中

僕の中に入ってくるなよ!僕の中に入ってもぞもぞやっただろ。分かってんだよ。ゲームしてたら君が入ってきてさあ、だから入ってくんなってんの。僕の心臓が好きなのか?僕の肝臓が好きなのか?だから入ってくんなってんの。

アーメン

何が通ったかって?悪魔だろ。歴史の片隅で蠢いていたって、まぐろのミンチだよ。でもさあ、蝿よりいいなんて、誰が言ったんだい?誰も言ってないだろ。今日を生きて明日を生きて、そして死ぬのもやむなし。オレンジの皮を剥いて、りんごの皮を剥いて、心の皮を剥いて、そんでそれが何になるって言うんだい?心の支え?ああ、そうかもしれない。アーメン。